ややこしいけど避けては通れない
世田谷区の保活の指数や選考基準などのまとめ

  • 2016.02.15
  • 2020.04.04

保育園・幼稚園

前回の記事からだいぶ空いてしまいましたが、色々まとめ終わったので、今日と明日で保育園関連を連投してみたいと思います。
ちょうど他の区も発表されてきている頃ですしね。

世田谷区は日本有数というよりもトップクラスの保育園の入園が厳しい地域です。

待機児童数1位という称号もありますが、実際にはこれは数え方のマジックというか自治体によってカウント方法が違うので必ずしも1位というわけではありません。

とはいえ、待機児童数が圧倒的に多いというのは間違いのない事実です。

そこで、今回はこの1年色々と保活を経験してみて、世田谷区の保育園事情についてちょっと詳細をまとめてみました。
以前の記事と多少かぶるところまりますが参考になれば幸いです。

まずは選ばれる基準の指数についてを知っておこう

保育園に入園するための選考というのは、当然住んでいる区によって異なります。
私は世田谷区在住なので、世田谷区以外は基本的にわかっておらず、この記事では基本的には世田谷区での解説をしています。

世田谷区に限った事ではありませんが、認可保育園への入園は、大原則として「指数」によって入園の可否が選別され、この「指数」が、何よりも重要視されます。

指数というのは、共働きなのかどうかなど色々な条件で点数が付けられて、その合計点の事を言います。

そして、この指数の計算方式は、各市区町村によって異なります。
例えば自営業なら低めの計算になる区もあれば、変わらない区もありますので、区の公式情報で計算しましょう。

下記は世田谷区と中野区の指数の計算表になります。
世田谷区の保育の利用基準【PDF】, 中野区の保育の利用基準【PDF】

上記のPDFを見ればわかるのですが、どういう状況なら指数がいくらかというのが解りますし、2つを比べてもわかるように、その計算方式はまったくバラバラです。

世田谷区では、この指数の合計値が高い方が優先的に保育園に入りやすくなりますし、指数が同じ点数だった場合、所得割課税額の低い世帯から優先されます。

所得割課税額の低い順というのは聞き慣れないかもしれませんが、大きめの控除額などがない限り、一般的には年収の低い順と考えてそう差し支えはありません。

そのため、極端な話、世帯年収が400万だけど、これから預けて働きに出ようと考えている指数が105の世帯よりも、超セレブで年収5,000万世帯の指数が110の世帯の方が優先して認可保育園に入れます。

あくまで年収の高い低いで優先されるかが決まるのは、指数が同じだった場合のみで、そうでなければ年収の額よりも指数によって決まります。
それ程、指数というのが認可保育園の入園に関しては大切になってくるのです。

世田谷区での保育園の選考の方法の流れを知っておく

世田谷区では、指数順で、指数が高い方から順番に、審査・選考をしていきます。

ですから、指数が上であればあるほど、保育園の入園内定が出やすくなります。
ですが、この内定を出すための順番と方法に、どこの園を希望するかというのが関連してきます。

保育園への第1希望や第2希望の意味を知っておく

認可保育園へ入りたい場合、指定の申込用紙に色々書く必要がありますが、この時、第1希望から順番に、自分の子を入れたい保育園を書いていきます。

第1希望は○○保育園、第2希望は▼▼保育園、第3希望は▲▲保育園、といった具合に皆がどこの保育園を希望するかというのを申込みの際に書きます。

ですが、他の区はわかりませんが、世田谷区の場合この第○希望というのが少しややこしくなります。

第1希望や第2希望などと聞くと、受験を思い出す方もいるかもしれません。
ですが、世田谷区の保育園に関して言えば、この希望というのはあくまでも自分達だけにしか関与しません。

というのも、詳細は後述しますが、この第○希望というのは、実際には自分の審査の順番が来たら、この第1希望から順番に入れるかのチェックをしてもらうためのただの順番リストにしか過ぎないからです。

受験の時のように、あの人が第1希望にしてる、あそこは人気だから、そこは避けて、自分は別のところを第1希望にしよう。といった事は受験では場合によっては意味があったりしますが、認可保育園の入園に関しては、こういった戦略的要素は全く意味がないのです。

指数の高い順に、希望している園から可能かどうかをしらみつぶしに当たっていくのが世田谷式

世田谷区では保育園の入園に指数の高い人から順番に、その人が希望している第1希望の園から順番に空きがあって入れるかを調査して、入れる園があり次第、そこに内定を出します。

第1希望に空きが無ければ、第2希望、第3希望、第○希望と続いていき、空きがあり次第、そこに入園の内定をします。
申込時に書かれた希望園のどこにも空きがなく入れなければ不承認というのを、指数の高い人(指数が同じ場合は年収の低い順)から順番に繰り返していくのが、世田谷区での選考方法です。

例えば、指数120の人の選考が終われば、次は指数119の人達全員分を年収の低い順から同じように選考を行い、指数119の人が終われば118の年収の低い順、117、116、115とその次に指数が高い世帯で年収の低い順から、その人が希望している第1希望の園から順に入園可能かどうかをチェックして、内定か不承認かを指数が一番低い人の分まで繰り返していきます。

例を挙げて説明すれば下記のような感じです。

指数A保育園
(空き1名)
B保育園
(空き1名)
C保育園
(空き0名)
120第3希望第2希望第1希望
115希望無し第1希望第2希望
110第3希望第1希望第2希望
109第1希望第2希望第3希望
100第3希望第希望第2希望

この時、誰がどこに入れるかというと、

指数内定の保育園
120B保育園
115内定無し
110A保育園
109内定無し
100内定無し

となります。

流れとしては、まず指数120の人の選考から入ります。
第1希望のC保育園に空きがないので第2希望のB保育園の空きをチェックします。

B保育園には空きが1名分あるので、指数120の方はB保育園に内定が出されて、B保育園の空きが0名になります。

同じように、次は指数115の人の審査選考に入り、第1希望のB保育園は先ほどの指数120の人に内定が決まったため空きがなく、第2希望のC保育園の空きを調べますが、ここも空きはありません。

A保育園ならまだ空きはありましたが、希望していない園のため指数115の方は内定園が無しとなり、入園不承認が出されます。

同じように、次は指数110を、終われば指数109を、そして指数100をという流れで審査と選考にかけていきます。

このように、第○希望というのはその人が希望するだけであって、他の人が第1希望にしているから結果に左右されるといった事は、基本的に関係がありません。

あくまでも指数が高い、同じ指数の場合は年収の低い順番に、その人たちが希望している園に入園できるかどうかを調査するのです。
その調査する時に、第1希望から順番に調べてください。というためのものでしかありません。

受験の時なら、第1希望の専願といった受験方法では多少優遇措置がとられたりする事がありますが、保育園の選考に関しては、第1希望だろうが第5希望だろうが、一切そういった要素はなく、あくまでも自分の選考の順番が来た際に、どの保育園から入園の審査をするかというだけのものになります。

ですから、極端な話、指数120の人が、第1希望から第99希望まで全て空きがなく、第100希望の園に空きがあった場合、指数119の人がその園を第1希望にしていたとしても、指数120の第100希望が優先されて入園内定が出て、指数119の人の第1希望は入園不可が出るのです。

第○希望は書きたいだけ書く事ができてしまう

【注意】
2017年度申込みから、第○希望は無限に書ける状態から、第30希望までと変更されました。それにしても、30はやはり多いような気がしますが…

保育園に申し込む際に、申込み用紙に第1希望園から順番に記載する欄があります。
当然、そこに書いた園のみが審査にかけられますし、書いていない園には入園希望ではないと見なされます。

そして、世田谷区でも用紙のスペースの問題もありますが、複数園を入園を希望する園として書けるようになっています。

しかしながら、実際には、この希望する園は、書きたいだけ無限に書いても大丈夫な仕組みになっています。
先ほどの極端な話というところで、第100希望の園といった事を書きましたが、実際に第100希望まで書いてもなんら問題はないのです。

事実、申込時に希望したい園を書くスペースが足りない場合はどうすればいいか?と聞けば余白や空いたところに書いてくださいと言われます。

希望保育園の数が無制限(今は30園)という意味の恐ろしさ

これ、通える範囲を書いてもいいのなら、とりあえず書いてしまおう。と思う方も多いのですが、実はここに凄まじい恐ろしさが潜んでいます。

というのも、先ほども説明したように、この第○希望にどこを書くかという意味は、基本的にはその人が自分の審査される順番に来た時に、希望している園から順番に入れるか入れないかを審査してください。というものにしか過ぎません。

ですが、希望園に書いたものは、全て入れるかどうかを確認し、入れる場合は内定がその人に出されます。

そして、前述の通り、世田谷区では指数が高い順から、審査が開始され、それぞれが希望している園に入れるかどうかを判断し内定を出していきます。

と言うことは、指数の高い人達が、希望園を全て埋めるように書いてしまうと、その人達が書いた希望園に全て、入れるかのチェックがなされ、入れる場合は必ず内定が出てしまうため、指数の低い人が入れる可能性はどんどん減っていってしまいます。

これの何が怖いかというと、指数が上の人が、とりあえず通えるかはまだ未知数だしわからないけど、どこかに受からないと話にならないから、とりあえず見学も行ってないし知らないところだけど、書けるだけ書いておいて、受かってから考えよう!と考えてしまうと、指数が上のため、その分だけ内定枠はどんどん減ってしまうという事になるのです。

内定後のキャンセルでもペナルティは無し

実際、色々役所で話を聞いていると、書く人は100園くらい希望するという人もそれなりにいると言われます。

どうしても認可じゃないと…という場合は、通えるか通えないかは別でいったん、全部書けばいいというアドバイスをされる場合もあります。

なぜなら、内定が出て、やっぱり通えないし無理だとなってキャンセルしても、ペナルティの類は一切無いからです。

もちろん、各家庭の色々な事情があるのでなんとも言えませんし、やはり皆が皆、保育園に入れたいとは思うでしょうし、書く事が悪とは思いません。

ただ、世田谷区は知っての通り、それなりな広さです。
下北沢も成城学園前も世田谷区ですし、二子玉川や等々力も世田谷区に該当してしまい、そのため、世田谷区では4つの区域に分けられています。

大量に希望園を書くという事は、当然そういった電車で30分以上、下手したら家からドアToドアで1時間程かかる距離の園でもとりあえず書くという事でもあります。

行けるかはわからないけど、ペナルティも無いなら、とりあえず書いておいて受かった後で考えるというのもわかります。

実際、こういうシステムや仕様になっているなら、とりあえず書いておくかと考える人が増えてしまうのも否めないのではないかと思われます。

ですが、今の現状のルールがこうなっている以上、その中で戦う必要性は出てくるわけです。
じゃぁどうすればいいのか?というのは、長くなりましたし、次の記事で書いてみたいと思います。

【追記】
一応、保育園関連は、我が家的には引っ越しという方法で解決しました。
順を追って見たいという方向けにまとめておきます。

  1. 世田谷区の認可の落選通知が届いたよ。
  2. 世田谷区の保育園の選考ルールなどのまとめ
  3. 1歳の4月入園に認可に入れるためにしておくべき事
  4. 保育園入園のために大阪へ引っ越しします
  5. 【番外】保育園見学時に我が家が見て聞いていたチェックリスト
  • 公開日:2016.02.15
  • 更新日:2020.04.04

テーマ:保育園・幼稚園

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